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PIZZA OF DEATH RECORDS PRESENTS [ NECAUSE IT'S 2020 ]

DETAILS

BECAUSE IT'S 2020 5th Release
BECAUSE IT'S 2020 / Ken Yokoyama ジャケット画像

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Ken Yokoyama

2020.09.24 at Shindaita FEVER
2021.1.8 Release / PODRS-07 / 2,000yen(+tax)

TRACK
  • 1. Kill For You
  • 2. Maybe Maybe
  • 3. Your Safe Rock
  • 4. Pressure
  • 5. Not Fooling Anyone
  • 6. Last Train Home
  • 7. I Fell For You,Fuck You
  • 8. Support Your Local
  • 9. Dream Of You
  • 10. What Kind Of Love
  • 11. Ten Years From Now
  • 12. Astro Zombies (New Cover Song)
  • 13. I Won’t Turn Off My Radio
  • 14. Sucky Yacky
  • 15. Ricky Punks III
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DISC REVIEW

PIZZA OF DEATH所属バンドによる一発録り音源を、レーベル主催のナンバリングシリーズとしてリリースしていく企画、PIZZA OF DEATH RECORDS presents 『BECAUSE IT’S 2020』が始動した。これまで、Suspended 4th、DRADNATS、MEANING、COUNTRY YARDと若手~中堅バンドの作品が発表され、ちょうど中盤の5組目として登場するのがレーベルオーナー横山健率いるKen Yokoyamaだ。

昨年10月、彼は抑うつ状態に陥り、急きょ決まっていたスケジュールをすべてキャンセルし、静養に努めていた(スケジュールキャンセルの理由は今年8月に自身のコラムで明らかにされた)。今年に入ってからは新型コロナウィルスが猛威を振るい、ほぼすべてのライブが中止や延期の憂き目にあい、その穴を埋めるかのように多くのアーティストが映像やSNSを通じて様々な発信をするなか、彼の不在はますます浮き彫りになっていた。多くのファンが心配するなか、9月25日に発表されたのが自身初となるミニアルバム『Bored? Yeah, Me Too』だった。黄金の横山メロディーと数々のフックが散りばめられたキャッチーなサウンドで彩られながらも、厭世観を感じさせる歌詞とのギャップが話題となった。ちなみに、この作品はレーベル初の試みとして、自社通販のみの取り扱いとなった。思えば、これが今作の布石になっていたのである。今回の『BECAUSE IT’S 2020』の取り扱いもPIZZA OF DEATHの通販のみ。現時点では配信の予定はない。

『Bored? Yeah, Me Too』は新ドラマーEKKUNが加入して初の作品となり、ライブでのお披露目が待たれるところだが、今の情勢から判断するとそれはまだまだ先のこと。そんな虚無感を少しでも埋める作品に今作はなりそうだ。

全15曲収録時間38分となる『BECAUSE IT’S 2020』は、新代田FEVERにてライブレコーディングされたものだが、想像以上のライブ感に驚かされる。リバーヴ感は控えめ、むしろライブな質感。歌や演奏のヨレもそのまま。しかし、それがリスナーの興奮を高める。現代のライブ盤はそれなりに音を整えるのが当たり前みたいなところがあるが、これはそうではない。オープニングナンバー「Kill For You」が流れ出した瞬間、サウンドの潔さに思わずニンマリすることだろう。

実際のライブを録音したものではないが、セットリストも「今」のKEN BANDを伝えるものになっている。作品の締めとして、とある曲がフェイドアウトしていく演出も気が利いている。続きはライブハウスで、ということだろうか。

曲目を見ると気づくように、今作には未発表曲が収録されている。これはMISFITS「ASTRO ZOMBIES」のカバー。原曲よりもテンポは速いがそれ以外は忠実なカバーになっているので、ぜひ聴き比べてみてほしい。

ひとつ違和感があるとするなら、あまりにテンポよくライブが進行していくこと。そう、KAN BANDのライブは超長尺のMCも持ち味のひとつ。しかし、今作では演奏面にスポットを当てることで、4人のバンドとしての強靭さがより際立つものになっている。何年も彼らのライブを追いかけているファンも、彼らの底力に改めて感服するはずだ。

コロナ禍で様々な不利益を被っているが、思わぬ形でKen Yokoyama初のライブ盤を味わうことができたことには感謝したい。

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