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PIZZA OF DEATH RECORDS PRESENTS [ NECAUSE IT'S 2020 ]

DETAILS

BECAUSE IT'S 2020 3rd Release
BECAUSE IT'S 2020 / MEANING ジャケット画像

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MEANING

2020.09.24 at Shindaita FEVER
2020.12.04 Release / PODRS-05 / 2,000yen(+tax)

TRACK
  • 1. BLACK OR WHITE
  • 2. Hero
  • 3. My War
  • 4. BREAK THE CIRCLE(新曲)
  • 5. Pain
  • 6. SOME LIKE IT VIOLENCE(新曲)
  • 7. Hope
  • 8. MIND RIOT(新曲)
  • 9. THE UNBROKEN HEART
  • 10. The Tragic World (But We Must...)
  • 11. 150
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DISC REVIEW

9月24日に新代田FEVERで収録された全11曲。

『BECAUSE IT’S 2020』と題された本シリーズ全体に共通して言えることだが、これは「ライヴアルバム」を志した企画ではなく、ただの最高のライヴを最高のライヴとして放つことで各バンドの地力を示す試みだと言っていいだろう。

結果的には収録作品なわけだが、そこに至るまでの回路が違うのである。

サウンドにしても空気感の収め方にしても作品性と辻褄合わせが一切存在せず、アンビエンスまで丸ごと叩き込んだ「ライヴ」だけが鳴っている。

そういう意味で、ひと際音と音の呼応が見えやすいライヴとして楽しめるのがMEANINGによる本作だ。

ハードコア由来のアグレッションに重心があると捉えがちなバンドだが、それと同時に、ギターの絡みから生まれるBPM以上のスピード感と美しいメロディにこそ心臓を持つMEANINGの音楽。

HAYATOのシャウトが従来の音源とは異なる表情を見せながら爆走していく中、川口とYOKKUNのギターが両翼になって叫びに飛翔感を与えていく。

特に2016年からは忙しなくメンバーの脱退・加入を繰り返してきたが故に、単独作品としては6年の間ブランクが空いている。しかしその間もライヴの中で曲を育みグルーヴを研磨してきた跡がこの11曲には刻まれているし、そもそもニュースクールハードコアにもメタルにもジャパコアにも安住できなかった突然変異的なミクスチャー性を誇ってきたバンドからこそ、バンドのグルーヴが変わったとしても楽曲自体が飲み込んでいくもののほうが大きいのだろう。

冒頭からハードな2ビートと深い音響を纏ったギターが爆走する新曲“BREAK THE CIRCLE”のように、各プレイヤーの特性がより一層ストレートに発揮された結果、さらにカオティックで壮麗な闘争音楽が形成されている。

そして丁寧に配されているアンビエンスが熱気と汗と呼吸を余すことなく伝え、MEANINGの音楽の立体性とスケールを立ち上がらせている。

新型コロナウイルス感染症の拡大によって人と人の距離の再設定を要求され、PIZZA OF DEATHのようにライヴハウスを起点にしてユニティを育んできたレーベルと所属バンド達にとっては、心臓摘出とも言える災難が降りかかった1年だっただろうし、そんな2020年だからこその「ライヴ」を探求する意志が本シリーズの発端にはある。

しかし、MEANINGのようにオリジナルな音楽性を持つバンドのライヴを生々しくパッケージすることによって、むしろ生々しさ以上に音楽の居合と洗練性が際立っているのが今作の最大の意義だと言えるのではないか。

2011年の大震災を受けて発表された“UNBROKEN HEART”が時を超えて今こそ不屈とエールを響かせているように、「今だから」ではなく、常に尊厳と拳を掲げ続けてきたバンドのプライドが終始鳴り響いている。

Review by 矢島大地

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